大半が女性。Web制作会社の男性役員がつづるBlog

女性が多い職場で肩身の狭い思いをしながら奮闘する男性役員のはけ口

フレックスという働き方について

19人中15人が女性というWebサイト制作会社で役員をしています。

※増えました。

 

更新がだいぶ空きましたが、今回はカルビーが在宅勤務をOKとしたことについて

www.asahi.com

 

女性の多い職場だと男性の多い職場に比べて何かと出入りが発生します。

結婚、出産、育児、旦那さんの転勤・・・

 

当然弊社でもフレックスや在宅勤務について、ことあるごとに検討しています。

しかし踏み切れない大きな要素があります。

それは評価について。

 

カルビーの在宅勤務OK!は一見すると電車のラッシュアワーに見舞われないし、個人に裁量を預けた理想的で自由な働き方だと思えるかと思います。

 

しかし、これは従業員からするととてもハードルの高い制度です。

 

在宅勤務ということは何でその人を評価するかというと「成果」です。

今まで仕事に対するプロセスや社員の教育、マネージメントと言った「数字で表れにくい部分」も評価対象だったマネージャクラスからすると、単純な「成果」で評価されるこの制度は評価を大きく落とすことは必須です。

要するにマネージャからプレーヤに評価基準がシフトするので、現場感が溢れる20代後半や30代は評価が高くなるでしょうが、現場感の薄れた40代以降は評価を落としやすくなります。

 

弊社は最年長が41歳ですが、プレーヤのみの評価であれば給料は下がります。

それは各セクションのマネージャ全てに言えるかと思います。

 

そして新人にもデメリットが多いです。

職場は「仕事をする場」ですが、同時に「教育をしてもらえる場」でもあります。

職場は新人にとって自分よりもデキる先輩や上司が近くにいて、不明点や困ったこと、悩みなどをその場で聞き教えてもらえることができる最良のスキルアップの場です。

 

カルビーでも3年以上の勤務を必須条件としているようですが、ただでさえ新人クラスが成長のために考え、先輩からの情報を吸収する意識が低下している近年。

このやり方が弊社のような制作会社には最も合わないやり方だという判断を今は下しています。

 

意識の高い人は勝手に考え、勝手に質問し、勝手に学び、勝手に成長します。

 

この制度の恐いところは、現場を離れたプレーヤとして能力の低いマネージャ層と、勝手に成長できない並み以下の新人層が明確に社会から置いていかれる点にあります。

 

自由はできるできないの格差を大きく広げます。

アメリカ見て。。あんなに自由なビジネス社会なのに、なんであんなに格差あるのよ。。自由には自由の責任があって、できない奴はその責任を果たせないからじゃん。。

 

話を戻して。。

「残業するな」も近しい意味を含んでいます。

「残業しないで時間内に成果を出せ」という意味です。

 

「仕事量を減らして残業をなくして、今と同じ給料をくれ」ということは会社という組織にいる以上あり得ません。

 

「残業するな」は要するに「スピード(効率)上げて、今と同じ仕事量を同品質で提供しろ」ということです。

 

ただ、この成果主義はメリットも含んでいます。

 

それは会社が儲かる。

 

成果によって報酬が決まるので、「家族もいるしムードメーカーだし、色々雑用してくれるし…」というこじつけで払っていた余計な給料払わなくていいので、非常に簡単に儲けることができます。

 

どんな経営者も成果を上げる人間にはいくらでも給料払います。

難しいのは成果を上げない人にどこまで払うか。

それを成果のみで判断できるので、支出は間違いなくスリム化します。

 

経営サイドの意見としては別に問題ないです。

ただ、自分にとって望ましいのかどうかを理解していない人が多いのではないかと思います。

 

ちなみに新人の並み以下が苦しむと言いましたが、おそらく8割以上が並み以下です。

考え勝手に育つ新人は10人いたら1人か2人。タイミングによっては0人だってあり得ます。

しかも10人中3人,4人と勝手に成長する良人材だ!なんてことは今まで経験したことがありません。

 

これはおそらくいつの時代も変わらない。

今のゆとりだなんだってことは関係ないです。

今の子達は確かに「考える力」は乏しいですが、非常に柔軟でSNSの影響からか発信力に優れています。

「こうあるべき!」という考え方や「建設的な思考力」が著しく乏しい。

それは見方を変えると枠を枠を認識しない新しいアイデアの発想には向いています。

 

筆者は何度も考えて、実際にちょっと導入して、やっぱりやめてを繰り返して今、通常の勤務形式を採用しています。

すでにフレックス制度、在宅勤務等の自由な働き方は認知され、浸透してきていますが、あまり考えずに導入すると痛い目に合うということと、自由な働き方を採用している会社に憧れだけで入ると痛い目に合うよということが言いたかったのです。