夢物語をブログで語る社長はバカではないが賢くもない
どこの社長も夢を語る。
特にベンチャー企業の創業者BLOGは読むに耐えないほど、夢にあふれている。
実際は全然できていなかったとしても。
ただ、社外的にはそれでいいのだと思う。
現実問題として、うちはブラック企業です!という会社に発注しようという人はいないだろうし、言霊という言葉の通り、言うことで実現することもあるとは思う。
だからブランディングとしては間違っていない。
しかし、その発信による効果として抜け落ちているのが、スタッフもそのBLOGを見るということだ。
書いている本人は気持ちいいだろうが、これはスタッフの信頼を大きく失い、モチベーションを大きく下げる。
だからバカというわけではないが、賢くもない。
ブランディングと現実には大きく差が生じることがある。
「私はこんなことを思って仕事をして、スタッフを大事にし、社会に貢献している!」
みたいな記事は天上人のように一般社員と接することがない大企業の社長であれば問題ないと思うが、一般社員とある程度関わる中小零細規模の社長はオフィシャルBLOGとして書くべきではない。
そもそも、スタッフはそんな風にしてもらってるとは思っていない。
社長がどれだけ熱い想いを持って経営していたとしても、スタッフが「社長ありがとうございます!うちの社長は最高の社長だ!」なんて思っている会社はないのではないだろうか?
少々気持ち悪いし、そんな会社はおそらく伸びない。
「まぁ不満はあるけど、まだマシなんじゃない?」が100点満点なのではないかと思う。
どれほどの苦労と心遣いを社長がしていたとしても。
そして特に問題なのがスタッフの家族が見ているということ。
実はスタッフよりもスタッフの家族の方が社長ブログを見ることが多い。
例えば家族が「帰りが遅い」「給料が安い」といった不満を持っている場合、
そのブログを見たらどう思うだろうか?
不満を助長させるだけでなく、嫌悪感を抱くだろう。
特にその社長の人となりを知らない人からするとマイナスでしかない。
では、そもそも社長ブログは何のためにするべきなんだろうか?
賢い社長ブログとは?
有名人でない限り、社長ブログの閲覧者なんてものは極少数である。
社長ブログが気になるのは内輪の人間とリクルータである。
では社長ブログのメインターゲットは
表向きには社外だが、暗に「社内とそれに紐付く人々」に設定するのが最適なのではないだろうか?
特に自ら起業したオーナー社長は「この記事をスタッフが見た時」という目線が無さ過ぎる。
フル回転でスタッフを磨耗させているにも関わらず、「人材は財産!」みたいな記事を書いていたりするとスタッフからすると「この人(嘘つき)についていくべきか否か」を考えるのが自然ではないだろうか?
また、その記事を見た家族から社長の悪口を聞くスタッフの姿を想像したことがあるだろうか?
私の持論として「優良な会社はスタッフの家族、外部の協力業者に好かれる会社」なのではないかと思う。
賢くない社長の書くブログは、会社とスタッフとその家族との最適な関係をブチ壊している可能性はないだろうか?